島情報−68

 前回の島情報へ〕   次回の島情報へ〕     これまでの島情報

島のお盆( スル )

 旧暦の7月13日から15日(今年は新暦だと8月6日〜8日)は沖縄全島でお盆の行事が行われます。旧暦で行われるので、本土のお盆に対して旧盆といいます。お正月は新暦で行われることが大多数になってきた今も、お盆だけは何が何でも旧暦の7月13日〜15日なんです。理由は、お正月はこの世の人たちのものですが、お盆は後生(グソーといいます)にいるご先祖様ためのものなので、昔から使われている日でないとご先祖様がグソーから遊びに来る日を間違えてしまうのでは・・・との心配からなのかもしれません。(推測ですが)

 というわけで、こちら与那国島でも旧暦の7月13日に家や墓をきれいに掃除して、ご先祖様をお迎え(ウンケー)して、ごちそうをいっぱい食べてもらって、一日遊んで(ナカヌヒ)15日に再びグソーへお送り(ウークイ)するのです。

 ウンケーの日、ご先祖様が家を間違わないように門の前で稲ワラを束ねた松明を焚いて迎え入れます。そして、よくおいで下さいましたと言わんばかりに3度3度の食事を差し出し、食事以外にも、お腹が減ったらちょっとつまんで下さい!と重箱にカマボコや豆腐の厚揚げ、三枚肉、昆布、寒天ゼリー、etcを詰めたもの、そして、アマダ(さとうきび)、ダマサンニン(山月桃)の実、バンスル(グァバ)などと一緒にデザートもありますよとお菓子や果物をあふれんばかりに仏壇の前にお供えします。スルハチ(ご先祖様の使う箸の意味)和名メドハギというマメ科の植物の枝葉を数本束ねたものと、ミディヌクという(水にアワやもち粉、さとうきびの芽、ナスの葉などを入れたもの)いわば島の聖水のようなものを用意し、ご先祖様に入り交じって来て欲しくない悪い霊を追い払います。(子どものころはそれが何なのか不思議でなりませんでした。)そして、ムイムティという餅米を炊いて(本当は餅を数十個積み重ねて)高さ20センチ程の三角の小山を2つ作り飾ります。(子供のころは、この餅山の上に遊びに来たご先祖様が座って見ているんだよ。だからおりこうさんにしないといけないよ。とおどかされていました)また、ニンブチ(念仏)節といって島の古謡を一日中BGMに流します。この郷愁をおびた歌にお母さん(アブタ)達はついホロッとなるのです。

 ナカヌヒ(中日)は、親戚などの仏壇のある家へ焼香回りをします。与那国ではそうでもないですが、那覇など本島ではこの焼香まわりで一年の内で一番の大渋滞になります。(普段あまり人通りのすくない路地という路地までもが車で埋め尽くされる)


     ウチカビ
3日目、最終日のウークイは、お腹いっぱいになったご先祖様がグソーへ帰っていきます。私達この世の者は、供え物をおみやげに、ウチカビ(グソーで使う金銭)を焚いてお小遣いを用意します。そして、グソーへの帰り道を間違わないように さとうきびの杖(グーサン)をもたせ、来年もまたいらしてくださいとお祈りをして門からお送りいたします。
 また、ご先祖様がせっかく遊びにいらしているのにしんみりとなってはいけません。賑やかに、派手やかにご招待いたします。と、いうことで島の青年達にエイサーで、毎晩夜遅くまで賑々しくお祭り騒ぎをしてもらっているのです。
♪ エイサー エイサー ヒヤルガエイサー・・・♪♪      投稿者 小嶺(こみね) 長典(たけのり)
(2006.8.13)