島情報−14

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塩づくり 9   こんな考えで作っています

 海水から作る塩でも大量生産の製塩は装置産業で、作業工程も一定していて品質も安定していると思われます。一方、弊社のように年間3〜4トンしか生産できない製塩は人手に頼っていて 中でも 本焚きで火を燃やす作業は 全身の感覚を総動員させます。カマドのマキの燃え具合、煙突からの煙の流れ具合と色、カマの沸く音、蒸気の出具合、塩分濃度と温度変化。そういうものに気を使って マキの種類と量を選択しますので結構大変な技術と思われますが意外と簡単、カンの良い人なら一ヶ月もすれば担当できるようになります。
 重要なのは誠実さ。手を抜かないこと、ごまかさないこと、基本に忠実なこと、体調のよいこと(宿酔いしていないこと)。
 日本各地で行われている小規模な製塩工場は家族だけとか 気の合った仲間で運営されているのは、たぶん、大規模化すると人間関係も複雑化するし 何より追求する塩の味の低下を恐れるからではないでしょうか。
 そんな人達は 食べていければいい、塩作りは聖なる仕事、そんなふうに考えている人がいっぱいいるような気がします。
 かく申す私は思いもしなかった南の島で塩作りを始めて2年半、何度も挫折しそうになりながらも続いているのは「私の 美味しい塩」を作りたいという思いです。最近の にがりブーム で、弊社のメイン商品の塩よりも 塩の副産物の にがりの人気が高いのには 少し複雑な気がします。弊社の塩の味を決めているのは にがりの成分を多く含んでいるからで マグネシウムが多いのがその証拠です。ですから わざわざ にがりを摂取しなくとも 塩とか水塩をお使いいただければ微量元素とミネラルは充分と考えます。苦しんでいらっしゃるアトピーとか、白い、スベスベな美肌効果のための洗顔、入浴などの薬用効果を期待されるなら話は別ですが。